●教育改革関連6法の成立(文部科学大臣談話)

1 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律の概要
2 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律の概要
3 国立学校設置法の一部を改正する法律の概要
4 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の概要
5 学校教育法の一部を改正する法律の概要
6 社会教育法の一部を改正する法律の概要

1 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律の概要

一 公立義務教育諸学校の学級編成及ぴ教職員定数の標準に関する法律の一部改正。

 1 都道府県教育委員会は、学級編成について、児童又は生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める学級編成の標準を下回る数を一学級の児童又は生徒の数の基準として定めることができるものとすること。
 2 公立の小学校及び中学校(中等教育学校の前期課程を合む)について、教教頭及び養護教諭等の複数配置基準並びに学校栄養職員の配置基準を改善するとともに、学級とは異なる学習集団により少人数指導が行われる場合には、教職員の数を加算することができること。
 3 公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部について、教頭及び養護教諭等の複数配置基準を改善するとともに、教育相談担当教員を新たに加算し、あわせて肢体不自由児童等を教育する養護学校における自立活動担当教員の数を改善すること。

二 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正。

 1 公立の高等学校(中等教育学校の後期課程を合む)及び特殊教育諸学校の高等部の学級編成について、都道府県教育委員会は、生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める学級編成の基準を下回る数により学級編成を行うことができるものとすること。

 2 公立の高等学校(中等教育学校の後期課程を合む)の教職員定数の算定基礎を学級数から収容定員に改めるとともに、教頭及び養護教諭等の複数配置基準並びに少人数指導等を行う教諭等の数を改善すること。
 
3 公立の特殊教育諸学校の高等部について、教頭及び養護教諭等の複数配置基準を改善し、大規模学校に複数の進路指導又は教育相談担当の教員を配置できるようにするとともに、あわせて肢体不自由生徒を教育する養護学校における自立活動担当の教員の数を改善すること。

三 再任用短時間勤務職員及び非常勤講師を置く場合における教職員定数の活用。

 1 公立学校に再任用短時間勤務職員を置く場合には、教職員定数を換算して置くことができること。
 
2 公立の義務教育諸学校に非常勤講師を置く場合には、教職員定数を換算して置くことができるとともに、その報酬等については都道府県が負担し、その2分の1を国が負担するものとすること。

四 その他所要の改正を行うこと。

五 この法律は、平成13年4月1日から施行することとし、教職員定数の標準については、平成17年3月31日までの間は、毎年度、政令で定めることとすること。


4 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の概要
 本法は、地方教育行政に地域住民や保護者の意向等をより的確に反映させ、教育委員会の活性化を図るため、教育委員会の委員の構成等について所要の措置を講ずるとともに、指導が不適切である市町村の県費負担教職員に対してより適切に対応するため、都道府県教育委員会が当該県費負担教職員を免職し、引き続いて都道府県の教員以外の職に採用できることとし、あわせて、公立高等学校の通学区域に係る規定を削除する等所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

 一 地方公共団体の長は、教育委員会の委員の任命に当たっては、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者(親権を行う者及び未成年後見人をいう。)である者が含まれるように努めなければならないこととすること。

 二 教育委員会の会議は公開することとすること。ただし、人事に関する事件等について、出席委員の3分の2以上の多数で議決したときは、公開しないことができることとすること。

 三 教育委員会は、事務局の職員のうち所掌事務に係る教育行政に関する相談に関する事務を行う職員を指定し、公表するものとすること。また、教育委員会の職務権限に関する規定等に教育行政に関する相談について明記すること。

 四 市町村教育委員会は、校長から任免その他の進退に関する意見の申出があった県費負担教職員について都道府県教育委員会に対し内申を行うときは、当該校長の意見を付するものとすること。

 五 都道府県教育委員会の免職及び都道府県の職への採用。
  1 都道府県教育委員会は、市町村の県費負担教職員(教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭及び講師に限る。)で次のいずれにも該当するものを免職し、引き続いて当該都道府県の常時勤務を要する職(指導主事並びに校長、園長及び教員の職を除く。)に採用することができることとすること。
  (1)児童又は生徒に対する指導が不適切であること。
  (2)研修等必要な措置が講じられたとしてもなお児童又は生徒に対する指導を適切に行うことができないと認められること。
  2 事実の確認の方法その他1の県費負担職員が1の(1)及び(2)に該当するかどうかを判断するための手続きに関し必要な事項は、都道府県の教育委員会規則で定めるものとすること。
 六 公立高等学校の通学区域に係る規定を削除すること。
 七 その他所要の改正を行うこと。
 八 この法律は、公布の日から起算して6月を経過した日から施行すること。


5 学校教育法の一部を改正する法律の概要

学校教育法の一部を改正する法律の概要
 本法ば、字校における多様な教育の実施を促進するため、児童生徒の体験的な学習活勘の充実に努めるとともに、大学制度の弾力化を図り、あわせて、出席停止制度の改善を行う等所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 小学校、中学校、高等掌校、中等教育学校、盲学校、聾学校及び養護学校においては、教育指導を行うに当たり、児童生徒の体験的な学習活動、特にボランティア活勤など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとするとともに、この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならないこととすること。

二 小学校及び中学校の出席停止制度について、その要件を明確化し、出席停止を命ずる 場合には保護者の意見の聴取等の手続を行わなけれぱならないこととするとともに、その他手続に関し必要な事項は教育委員会規則で定めるものとし、あわせて、出席停止期 間中の児童生徒の学習の支援その他の教育上の措置を講ずるものとすること。

三 大学は、通信による教育を行う研究科及ぴ夜間に授業を行う研究科を置くことができるものとすること。
四 次に該当する大学は、高等学校に文部科学大臣の定める年数以上在学した者であって、当該大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認めるものを、当該大学に入学させることができることとすること。

 1 当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれていること。
 2 当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及ぴ指導体制を有すること。

五 大学院を置く大学は、大学に文部科学大臣の定める年数以上在学した者であって、当該大学院を置く大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認めるものを、当該大学院に入学させることができることとすること。

六 大学は、勤務年数を聞わずに、名誉教授の称号を授与できるようにすること。

七 盲学校、聾学校及び養護学校の寄宿舎の「寮母」の名称を、男女共同参画社会の形成の促進の観点から、「寄宿舎指導員」に変更するとともに、その職務肉容を「養育に従事する」から「日常生活上の世話及び生活指導に従事する」にしたこと。

八 その他所要の規定の整備を行うこと。

九 この法律は、公布の日から施行すること。ただし、二については公布の日から6月を経過した日から、四、五及び七については、平成14年4月1日から施行すること。