就学の現状と課題


1 現状
  
   特殊学級や特殊教育諸学校(盲・聾・養護学校)に在籍する幼児・児童生徒の数については、統計データを見ていただきたいが、盲学校、聾学校、病弱養護学校は減少傾向、肢体不自由、知的障害は微増傾向にある。知的障害は、小・中学部は減少傾向であるが、高等部の整備が進んでおり、全体としては、増加傾向にある。
  特殊学級は、在籍している児童生徒数は、減少しているが、学級数が増えており、在籍数が少数の学級が増えている ことを伺われる。また、通級指導がスタートした時点から、言語の特殊学級は、当然ながら減少している。


2 課題

 (1) 医療的ケアの必要な児童生徒への対応
   
・養護学校は、もちろんですが、特殊学級にも何らかの「医療的ケア」が必要な子が在籍し、増える傾向がある。
  

 (2) 通常の学級に在籍している障害のある児童生徒への対応
  
 ・何らかの理由(運動論も含めて)で通常の学級に在籍している児童生徒は、教室の中に投げ込まれた状態となって
    いる。
   ・LD児、ADHD児への対応

 (3) 就学に係わる関係者間の連携
   ・医師の意見が保護者に強く影響を与えるケースがある
   ・関係者間で意見が異なる(早期療育関係者と学校関係者等で異なる)
   

 (4) 都道府県教育委員会と市町村教育委員会との連携が不十分
   ・市町村教育委員会の考え方が各市町村により異なっており、整理されていない


 
(5) 「市町村の就学指導委員会」の機能の充実
   ・特殊教育について経験年数が不十分な委員や法律的、制度的に十分な知識がない委員もいる。
   ・子どもの状態像よりも「保護者の願い」が最優先され、十分な審議が尽くされていない。

●都道府県により、現状や課題は、異なっていることと思います。ここでは、文献を基に、いくつか気になることを上げました。