パラリンピックについて


 平成10年2月、長野冬季オリンピックが開催されました。このオリンピックとは別に、もう一つのオリンピックが開かれました。長野パラリンピックです。世界33か国、1200人が参加しました。
 元々、パラリンピックは、脊椎損傷者の国際スポーツ大会という意味でした。下半身麻痺のパラプレジア(paraplegia)とオリンピック(Olympic)の合成語です。
 99年の12月にスイス・ローザンヌで開かれたIOCの臨時総会でオリンピック憲章にパラリンピックが明文化され、オリンピック・ムーブメントの一員に迎えられました。
・オリンピック開催都市がパラリンピックを主催する義務を負う。
・オリンピックに引き続いて行う。
・IOC委員を選出する
 など、障害者スポーツをこれまで以上に受け入れる姿勢を示しました。

種目   説         明
アルペンスキー 種目は五輪と同様に男女それぞれ滑降、スーパー大回転、大回転、回転がある。
片手に障害があれば1本のストック、両手に障害があればストックなしで滑る。
両足や下半身全体に障害があれば、1本のスキーの上に取り付けた特製のいすに座り、ステックの先に短いスキー板がついたアウトリガーを使う。
片足の選手はスキー1本とアウトリガーで滑走する。
視覚障害の選手は進行方向を指示するガイドが伴走する。
アイススレッジ・スピードスキー 2本のスケートブレードをつけたそり(アイススレッジ)にベルトで体を固定し、スティックを使い競技を行う。
距離スキー
(クロスカントリースキー)
男子は5キロから20キロ、女子は2.5から15キロの範囲で距離が設定され、タイムを
競う。個人種目、国別対抗のリレーがある。
下肢障害者は2本のスキーの上にいすを取り付けたシットスキーに乗り、ストックを使って前に進む。
視覚障害者、上肢障害者は歩くように進むクラシカルとスケーティングなど自由に走るフリーの2つの走法別に競う。
バイアスロン 距離スキーとライフル射撃を組み合わせた競技。男女とも2.5キロのコースを3周し(7.5キロ)で争う。2.5キロと5キロ地点で射撃をする。
ライフル射撃は、腹ばいになった姿勢で10メートル先の標的を5発ずつ撃つ。命中しなかった場合は標的1つにつき1分のペナルティーが加えられる。
視覚障害者は照準が標的の中心に近づくほどヘッドホンから聞こえる音が高くなるビーム銃を使い、音を頼りに的を狙う。
アイススレッジホッケー スレッジと呼ばれるスケートの刃を2枚付けたそりに乗り、2本のスティックを両手で使って競技をする。ステックの一方はパックを扱うブレード。反対側には、ギザギザがついている。
唯一の集団競技。選手資格は、通常の滑りが不可能であることがはっきりわかる程度の下肢の障害を持った選手。
1チーム6人、随時交代できるなど、基本的なルールはアイスホッケーと同じ。
競技時間は1ピリオド15分で3ピリオドまでの45分間。